好き度:★★★☆☆「DIE GESCHICHTE VOM WEINENDEN KAMEL」
あるモンゴルの遊牧民族の一家が飼っているラクダが子供を産んだ。
母親は茶色なのに子供の体は真っ白。
色の違いのせいか、かなりの難産だったせいか、
母親は子供にお乳を与えようとはしない。
子らくだがお乳を吸いにいっても追い払う。
日に日に衰弱していく子供。なんとか、母子の絆をつなげたい一家。
そこで考えられた方法とは・・・・??
遠い町から腕のいい馬頭琴奏者を連れてきて、
母親らくだに音楽を聞かせるというもの。昔からの伝統らしい。
・・・んな、あほなと思いながらも、音楽をきかせると、
なぜか母らくだの気持ちがとても落ち着き、
子供にお乳を与えるようになったのだ。
そして、ラストシーンでは母らくだの大きな黒目から一筋の涙が流れる・・・。
ドキュメンタリー映画で、モンゴルでの遊牧民の日常生活が淡々と描かれ、
台詞もほとんどない。でも、何故かあきない映画だった。
雄大な自然の中で、らくだや山羊と共に、自然の一部としてあたりまえに生活する。
食事のために山羊をさばいても、血の一滴も大地に流さず、全て食するのだそうだ。
天から与えられた糧を少しも無駄にすることはない。生きることへの真摯さ。
360度の地平線みたさにモンゴルに行きたくなる映画ですね。