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『フロスト×ニクソン』


好き度:★★★★☆
「FROST/NIXSON」
ウォーターゲート事件によって大統領辞任に追い込まれて以来、
沈黙を守り続けたリチャード・ニクソン(フランク・ランジェラ)。
そんなニクソンにインタビューを申し込んだテレビ司会者のデビッド・フロスト(マイケル・シーン)。
名誉の回復と政界復帰を目論む男と、テレビ界での全米進出を狙う男。
野心とプライドをかけた両者の闘いに、全米4500万人が注目した。
勝ってスポットライトを浴びるのはどちらか一人・・・・!

大臣経験者の、ある政治家の講演会に行ったことがある。
テレビで見る彼は、権力志向が強いタイプの政治家であまり好感がもてなかったのだけれど、
実際に話をきいてみると、話が非常にうまく、その場の流れをすんなりと自分の側にひきよせ、
強烈な個性にいつのまにかひきこまれてしまったのよね。
「政治家ってやっぱり特殊な人なんだな〜。」と。強い磁力を放っているかのよう。

インタビューの冒頭、赤子の手をひねるかのようにフロストの質問を軽くかわし、
すべて自分の功績話にすりかえ、饒舌に話すニクソンを見て、そのことを思い出した。
老獪な政治家であり、そのうえ弁護士出身で口が達者なニクソンに
なすすべもなく最初は圧倒されるフロスト。

どちらも、負ければ全てを失う背水の陣をしいての真剣勝負だから、
それはもうキリキリして、恐ろしいほどの緊張感!!
リアリティあふれるシーンになっているのは、
フランク・ランジェラとマイケル・シーンの迫力ある名演技はいうまでもなく
固唾をのんで二人の対決を見守る両陣営のブレーンの渋い演技によるところも大きい。
(ケヴィン・ベーコン、オリバー・プラット、サム・ロックウェル、マシュー・マクファディン、皆いい!!)
ニクソンの本を何冊も書いているジェームズ(サム・ロックウェル)が、
「ニクソンは大嫌い」だから握手なんてするもんかといいつつ、初めて彼に会ったときに
そのオーラに圧倒され思わず手をだしてしまうシーンに笑ってしまいました。

全4回のインタビューのうち、3回はニクソンの圧勝。

そして、いよいよ「ウォータゲート事件」の核心にふれる4回めの収録の前に、
フロストにかかってくるニクソンからの1本の電話。

勝利を確信しているはずのニクソンが、お酒に酔っているとはいえ、心情を吐露するシーンは、
それまでと違いあまりにも弱気で、そのいきなりの落差に「なんで?」と思ったのだけれども
後から考えれば、
負ければ全てを失い、もやは二度とはいあがれないだろうと恐怖と焦燥感をわかちあえるのは、
周りにいる腹心の部下でも家族でもなく、
同じような立場の相対するフロスト、ただ一人であったんだろうな〜と。

最終的に、自分が行ったことは、「非合法であった」と認める発言を引き出されてしまったニクソン。
その一言と、テレビがまざまざと映し出した「敗残者」としての悲哀に満ちた表情のインパクトで
それまでのインタビューで彼が誇らしげに語ったことは、人々の印象には残らない・・・・。
テレビの力とは、なんと残酷。

そこにいるのは精力的で饒舌な元大統領でなく、ただ、放心状態になった孤独な老いた男で
その姿になぜか胸をうたれて泣けてしまったよ。

闘いが終わり、最後に二人が再会してニクソンがフロストにかける言葉が印象ぶかい。
「社交的でコミュニケーション能力に長け、人に好かれる。君こそが政治家にむいてるんだよ。
思索が好きな私が、ジャーナリストになるべきだったのかも。」
政治的な功績は小さくないのに、歴代大統領の中でも嫌われ者なんだよね。
この映画を見て、あらためて彼のことを知りたくなってしまった。

ちなみにウォーターゲート事件ってそもそもなんのために、ニクソンが起こしたのか?
いまだにはっきりしない。
彼は、あまりにも中国に近づきすぎたため、それをよしと思わない勢力によってはめられたと、
とある人が言っていたけれども果たして真相はいかに・・・。

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| - | 16:57 | - | - |

Comment

Minitaさん、こんにちは。
結末が見えている映画なのに、とても面白かったですよねぇ。
そう、ジェームスの握手のシーンも印象深いです。
政治家って本当に特殊な職業ですよねぇ。
日本のトップもこの話上手っぷりを見習ってほしい〜
オバマ語録は日本でも売れているけど、その魅力は活字になったものじゃなくて、ライブにあるって気がしたり。

| かえる | 2009/04/12 2:45 PM |

>かえるさん

本当に着地点はわかっているはずなのに、
こんなにドキドキさせられるなんて不思議でしたよね!

握手のシーンは、あ。わかるな〜なんて。
政治家、それもトップに登りつめた人間って、やっぱり、人をひきつける引力みたいなものをもってるんでしょうね。

私もYou Tubeで実際の映像見ました〜!実物のニクソンより
フランク・ランジェラのほうが魅力的にみえましたね。

>日本のトップもこの話上手っぷりを見習ってほしい〜
確かに、話に惹かれるひとは、あんまりいないですね〜!
それに、自分がどう見られるかに注意をはらっていないような。
実際のメディアの力を把握しきちんと対処している人、少ないですよね。
だから、あんな飲んだくれ会見しちゃうんだ(笑)
オバマ大統領は、演説めちゃくちゃうまいですもんね。
アメリカ国民でもない私でも、ちょっと感動してしまったもの。
さすがディベートの国。

| Minita | 2009/04/13 2:55 PM |

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