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『チェ 28歳の革命』 & 『チェ 39歳別れの手紙』


好き度:★★★★☆
「CHE」
キューバ革命の中心的人物にして、20世紀最大のカリスマであるチェ・ゲバラの生涯を描く。

試写会で、2本まとめて鑑賞しました。
「28歳」はキューバ革命に成功するまでの軍事行動のシーンと、
革命に成功した後、チェが国連で大演説を行ったシーンが交互に描かれ、
彼の輝かしい栄光に満ちた内容であるのに対し、
「39歳」では、カストロと袂を分かち、ボリビアで新たな革命を起こそうとゲリラ戦を展開しながらも
徐々に死へと追い込まれていくチェが描かれています。

ソダーバーグ監督によると、「28歳」と「39歳」は常にコントラストを意識して撮影したそう。
だから、この二つの作品はかなり印象が違います。
「生」と「死」、「客観的」と「主観的」、「光」と「影」。
私は後半のほうが、より臨場感が溢れていて好きだったのですが、それは前半があればこそ。
だから、あまり間をおかずに2本観るのがいいと思います。
また、政治的背景の説明はないので、見る前に歴史の流れをつかんでおくのがお勧め。

実は、チェ・ゲバラのことをあまりよく知らなくて、どうして今でも支持されているのか疑問だったの。
革命家というのは聞こえはいいけれど、結局は武力で自分の主張を押し通すだけじゃない?
その結果、罪のない人たちも巻き込まれて命を落とす。

しかし、徹底的なリサーチをもとに、忠実にスクリーンに再現された「チェ」は、
思っていたイメージと全然違う人だった。

不公平な格差にあえぐ貧しい人々を解放し幸せにしたいという信念の塊のような男。
その目的のために、自分を厳しく律し、努力を惜しまない。

ゲリラ戦を展開している中、医者でもある彼は、村人の診療をし、仲間の傷の手当てをする。
村人から食物を分けてもらう時には、必ず対価を払い、
どさくさにまぎれて、村人を襲ったり、盗みを働いた兵士は処刑し、規律を厳格に守らせる。
文字の読めない若者には教育を施す。
そんなチェのリーダーとしてのポテンシャルの高さを評価したカストロは、
キューバ人でもない彼を新兵の教育係にしたり、出世させるんだよね。

結果、12人で始めた革命運動は次第に国民の支持を集め、とうとう政権を倒すことに成功する。

その後、カストロは国家運営のために、ソ連との協力関係を築こうとするけれど、
次第にチェは、彼とのスタンスの違いが明確になり、「別れの手紙」を残して、キューバを去ることに。

カストロが清濁併せ呑むことができる「政治家」であったのに対し、
チェはあくまでも純粋な「革命家」であろうとしたんだな・・・・。

以前、カストロを描いた
「コマンダンテ」を観たとき、完全に自分をコントロールし、
自己演出に長けている人だと思ったんだけど、1回だけ感情の揺れを見せた。
それが、「チェ・ゲバラ」について聞かれたときだったんだよね。
カストロにとって、それほど彼は大きな存在だったんだと思う。

後半は、苦しんでいる多勢の人々を助けるために、チェは新たな革命の地としてボリビアに入る。
そこで、同じようにゲリラ戦を展開するのだけれど、キューバとは違って、
ことごとく彼のやりかたは裏目にでて、士気もどんどん低下するのよ。
彼の理想は、ボリビアの人々には浸透しなかったのだね。
あまりにも清廉潔白で、常に正論を言う人が唯一のリーダーで、周りにも同じレベルを求める場合、
必ずしも、全員がその人についていけるわけじゃない。
チェを含めて全体のバランスをとる人が必要だったのかもしれない。
キューバ革命におけるカストロのように。

持病の喘息に苦しみながら、それでも最後まで仲間を見捨てず、闘おうとするチェ。
観ている私も、先の見えない焦燥感と息苦しさを抱えながら、
いつのまにか彼と共にゲリラ戦を体感しているような感覚に襲われた。

ベニチオ・デル・トロは、並々ならぬ役作りをして、この役に臨んだだけあって、
まさにそこにチェが生きているかのような迫力と存在感。
惚れ直しました〜。やっぱり、大好き♪

「かつて本気で世界を変えようとした男がいた」
エンターテイメントというよりは、ドキュメンタリーのような作品ですが、
彼の生きざまを、現代に生きる我々も記憶しておくべきだと思いました。
もし、彼が生きていたら、今の世の中をどう感じ、どんな言葉を述べるのかな・・・・。

ちなみに、国連演説シーンの決め台詞。
「PATRIA O MUERTE! (愛国か 死か)」が死ぬほどかっこよかったな〜。

実際のチェの演説(国連ではないけれど)はこちら!とても惹きこまれるし、いい男〜!
このまま映画になるくらい絵になってません??

とりあえず、今年は絶対キューバに行くよ〜 そして、チェ・ゲバラ廟にお参りしなきゃ。

 

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Comment

Minitaさん、こんにちは! コメントとTBをありがとうございました!
ええ〜、キューバに行くんですか?! すごーい、いいな〜。。

ゲバラって、本当にいい男ですよね〜。デル・トロも素敵だけど。。
二本連続の試写、カンヌ状態だったのですね。
私も、続けて観たかったです、トイレ休憩さえ挟んでくれれば(笑)。
後半のほうが、よりシリアスな作りになっているのですね。
ああ、早く観たいな〜。。
後編観たら、また来ますね♪ ではでは〜。

| 真紅 | 2009/01/16 4:01 PM |

>真紅さん

いつもコメント&TBありがとうございます〜♪

そうなんですよ。円高&カストロ議長が存命のうちに
キューバにいってみたいな〜と。
中南米がもともと好きってこともありますし・・・。

ホント、チェ・ゲバラってびっくりするくらいいい男ですね。
人懐っこい笑顔がとても革命戦士とは思えないほど・・・。

後半の作品のほうがより、主観的な観点で描かれているので
まさにチェと共にゲリラ戦を闘っているかのような息詰まる迫力です!
ソダーバーグ監督の緻密に計算された構成力に圧倒されます。
また、後編の真紅さんのレビューを楽しみにしてますね!

| Minita | 2009/01/16 8:51 PM |

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