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『英国王給仕人に乾杯!』


好き度:★★★★☆
OBSLUHOVAL JSEM ANGLICKEHO KRALE/I SERVED THE KING OF ENGLAND」
背丈は小さくても百万長者になるという大きな夢を抱く青年、ヤン(イヴァン・バルネフ)。
田舎町のホテルでレストランの見習い給仕となった彼は、順調に出世を重ねて
いつしかプラハ随一の“ホテル・パリ”で主任給仕となる。
一方、ナチスの台頭で、やがてプラハもナチスの占領下となっていく。
そんな中、ドイツ人女性リーザと出会い、恋に落ちるヤンだったが…。

小国チェコの激動の20世紀現代史を、背の小さな給仕人ヤンの目から描く。

人好きのする容姿と性格と、持ち前の利発さから、ヤンがトントン拍子に出世していく
冒頭からのシーンは、とっても楽しい。
母性本能をくすぐるのか、次々に現れる美女にもモテモテ(笑)

とうとう、ホテル・パリのレストランの給仕となったヤンは、
そこで自称「英国王の給仕人」だったという名給仕長スクシーヴァネクと出会う。
彼は客を見ただけで何をオーダーするかがわかってしまう程、究極のプロフェッショナル。



彼のことを尊敬するヤンは給仕人としての腕をメキメキとあげていく。
客のテーブルの間をトレーを持ち、くるくる回りワルツを踊るかのように優雅にサーブしていくヤン。
このレストランって、本当に美味しくて楽しい時間を過ごせそうな素敵な場所なんだよね。

しかし、ナチスに占領されて、街の様子は一変する。
美しいプラハの街に飾られるハーケンクロイツの旗のなんと無粋なこと。

ナチスの占領に断固反対する誇り高き給仕長は、レストランにナチスの将校が来ても
ドイツ語がわからない振りをする。
それでもわめく将校に対して、最後に「ドイツ語はわかりません!」とドイツ語で毅然と返す。
結局、反乱分子としてゲシュタポに逮捕されることに・・・・。

そして、最初からヤンに目をかけてくれていたお金持ちなユダヤ人も
強制収用所に移送されることになる。
二人の出会いのシーンは、走り出す列車に向けてヤンが彼におつりを渡そうと
一生懸命走るが届かず、ちゃっかりおつりを自分のものにしちゃう(笑)
どこかコミカルであったこの出会いと同じようなシチュエーションなのに、
二人の別れのシーンは、切なくてぐっとくる。

一方、ヤンはナチスの軍人であるドイツ人女性と恋に落ち結婚したため、
迫害を受けることもなく人生は順風満帆。
お金持ちになる夢も実現することになるのだが・・・・。

客観的にみれば、チェコ人の風上におけないのだけれど、
自分より小さな彼女を愛し、幸せになるために彼は一生懸命努力しただけなのだ。

老年となったヤンが、廃屋を綺麗にし鏡をいくつも部屋に並べ、映る自分の姿を見て、
過去を反芻するシーンは美しい。

描かれている時代背景は暗いものなので、いくらでも重苦しく描けると思うけど
映画のトーンは軽妙で優雅でどこか可笑しい。
だからこそ、そんな時代に翻弄されながらも生きてきたヤンの人生が、しみじみと伝わってくる。



チェコはピルスナー発祥の地だそうで、ビールが美味しい国なんですね。
なるほど、色々なシーンで、美味しそうなビールがジョッキに注がれる。
最後にビールを湛えたジョッキ越しにヤンが見たものは・・・・。
人生は、ビールのようにほろ苦く、そして味わい深い・・・・。

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Comment

気になっていた作品です。

一人あたりのビール消費量が世界一のチェコ。
友達にチェコ人がいますが、チェコ人のビールに対する思い入れは大きいですね〜。

| tomomi | 2008/12/26 9:30 AM |

>tomomiさん

>一人あたりのビール消費量が世界一のチェコ。
そうなんだ〜(驚)!!初めて知りました!!
そんなに思い入れが強いのね・・・・。
映画の中でも、チェコのビールでどの銘柄が一番美味しいか
大の大人が議論しているシーンがありました。




| Minita | 2008/12/26 12:53 PM |

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『英国王給仕人に乾杯!』
ひなぎく咲き乱れて、舌鼓。 小国チェコの激動の20世紀現代史が小さな給仕人ヤンの人生を通して綴られた年代記。原作はチェコの国民的作家ボフミル・フラバルの小説「私は英国王に給仕した」 チェコの巨匠イジー・メンツェル監督の12年ぶりの長編映画なんだって。

| かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY | 2009/01/21 12:14 AM |