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『その土曜日、7時58分』


好き度:★★★★☆
「Before the devil knows you're dead」
離婚した妻への養育費の支払いに困っていた弟ハンク(イーサン・ホーク)は、
兄アンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)から、両親が経営する宝石店への強盗計画を持ちかけられる。
絶対に安全で成功する計画だったはずが、一発の銃声により状況が一変。
ひとつの誤算をきっかけに事態はどんどん悪い方向に転がり始め、二人は徐々に追い詰められていく。

悲劇的な結末のはずなのに、テンションあがりました〜!
何度も時間軸が過去に戻り、そのたびに違う人間の視点から描かれる手法で
徐々に事実が明らかになっていく構成と
演技巧者揃いの俳優陣の熱演で、濃密に織りなされる人間ドラマに釘づけ

ハンクは顔もいいし、性格も優しいけれど、およそ、甲斐性のない男。
お金にいつも困っていて、娘にまで「Loser (負け犬)」呼ばわりされるヘタレぶり。
何をするにもなんだか詰めが甘い。

そんな人のいい弟を利用しようとしたアンディも、
一見社会的に成功しているかのようにみえて、実は幸せを感じてはいない。
ドラッグにおぼれて、会社のお金に手をだし、追い詰められている。
冒頭、妻とのSEXシーンからいきなり映画が始まるのには、びっくりしたけれど、
あの殺伐とした行為から、夫婦関係も微妙なことがわかる。
(マリサ・トメイはひさびさにみたけれど、ヌード綺麗だったな〜

そうして、事件は起こり、彼らはかけがえのないものを失う。

ここから、なんとか軌道修正しようとするのだけれども、打つ手打つ手が裏目にでて、
どんどん彼らは追い詰められてしまう。
彼らが感じる焦燥感が、文字通り「ジリジリ」と音をたてて聞こえてくるよう。

少しずつアンディが父親に抱いている複雑な感情が明らかになってくるところが面白かった。
「死んだのが親父だったらよかったのに・・・・。」
強くてたくましい父親は、彼のあこがれだったんだろうね。
そんな父親に認めてもらいたくて、でもそれがかなわないから、
あえて父親とは違う生き方をしようと、無理を続けてきたんだろうな。
あと、素直な弟ばっかり可愛がってもらえているような僻みのような感情も・・・・。

弱気になった父親がアンディに
「昔は、愛情表現がよくわからなかったんだ。傷つけてすまなかった。」・・・・と。

このタイミングでそれを言うなよ。卑怯じゃないかと泣き叫ぶ演技はさすがのオスカー俳優、
フィリップ・シーモア・ホフマン。
もっと早く父親とわかりあえていたら、自分の人生は変わっていたかもしれない。

しかし、全ては遅すぎた。

この悲劇がアンディが引き起こしたことと知った父親の視点が加わることから、
俄然、緊迫感がまし、悲劇的なクライマックスへ突入!
静かな憎悪の胸に秘め、行動する父親の哀しいほどの業の深さ。
アルバート・フィニーもうまかったなあ〜。

凝った手法をとりながらも、事件の流れはわかりやすく見せ、起こった事実だけではなく、
その裏に隠されたそれぞれの秘めた思いと崩壊していく家族の姿を、徐々にうきぼりにしていく。
スピード感も心地よく、シドニー・ルメット監督の手腕はお見事
84歳にしてますますパワフル。負けてられ〜ん!!

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