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『ブラインドネス』


好き度:★★★☆☆ 

「Blindness」
視界に白い光が溢れ、突然見えなくなるという奇病が蔓延し、感染者は施設に隔離される。
極限状態におかれた患者達は徐々に秩序を失い、人間の本性をむきだしにするようになる。
その中に、一人だけ目の見える女性(ジュリアン・ムーア)がいた・・・。

「見えなくなる」それだけで、これほど世界が一変してしまうものなのか。

一人で歩くことも、食べることも、排泄することもままならない。
狭い施設の中に隔離され、食物も足りなくなり、衛生面も劣悪な環境になっていく。
極限状態におかれた人々は、自分の欲を満たすことのみに頭がいっぱいになり、
社会的秩序は失われ、そこには、別の秩序が出現することになる。
すなわち、力のない者は、力ある者に屈服する、獣たちが生きる弱肉強食の世界。
強奪、暴力、SEX・・・人間の尊厳などないかのように本能のままに行動する人間たち。

変わり果てた世界の全てを一人の女性だけが目撃することになる。
彼女は、最初は夫に頼っている献身的な妻にすぎないのが、
見たくないものを目にし、「一人だけ見える」ことの重圧に押しつぶされそうになりながらも、
周りに手を差し伸べ、正しい方向に導く強い女性に次第に変化していくさまが面白かった。

見えなくなったからこそ、初めて見えてくるもの。
そこには、お金持ちも、貧乏人も、健康な人も、病人も、人種も、老いも、若きも、何の区別もない。
ただ見えるのは個人の本質。そこで生まれた信頼と絆は何よりも強い。
それこそが、極限状態における人々が見出した唯一の希望。

途中、感染者の視点からのように、時々映像が白っぽくなったり、輪郭がぼやけたりしたので、
自分まで「見えなくなったの???」と、非常に不安に駆られ、怖くなりました。
その後、自分の目が見えることに、心から感謝し、と同時に、
果たして、自分は本当に大事なものが「見えているのか?」と改めて問いたくなります。

木村佳乃&伊勢谷友介の若夫婦役は、体当たりの演技と違和感のない英語で期待以上。
美しくてスクリーンに映えますね。

注:テーマは深くていい映画ですが、目のそむけたくなるシーンもあり、デートには向きませんぬ。

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Comment

Minitaさん、こんにちは。
不安感を煽る映像表現がまたお見事でしたね。
見えることに感謝。
伊勢谷木村さんの存在もよかったですね。
英語台詞も実に自然で。
むしろ日本語台詞は独特でしたね。w

| かえる | 2008/12/05 12:50 PM |

>かえるさん

「見えること」の重要性を改めて痛感しました。
本当にぞっとしましたね。
私もゾンビものよりも、極限状態におかれた
人間の本性がむきだしになる恐怖を描いた作品のほうが
怖いです・・・。

そうなんですよ〜。日本語シーンはなんであんなに間がぬけたんだろう。
あの状況で「初詣がさ〜」といわれたって、
「聞きたくない!」と私だっていうだろうと(笑)

| Minita | 2008/12/07 12:43 AM |

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