好き度:★★★★☆『もう一度、生まれてきたいと思う?』
思春期になると成長を止め、永遠の命を生きる「キルドレ」。
戦闘で命を落とすまでは、果てしなく同じ毎日が続く・・・。
もはや完璧な平和な世界が確立しているとある時代のとある国。
大人たちは、そのあたりまえな平和を実感するために
ショーアップされた戦争を必要とし、戦争を請負う民間企業2社が、
決して終わることのない戦闘を続けている。
戦闘機に乗り込み空中戦を延々と続けるキルドレたち。
彼らが生きる道は空にしかない・・・・。
最新の3D映像で細部まで作りこまれた空中戦シーンは実写かと思うほどのクオリティ。
まるで観ている自分がコックピットに乗っているような錯覚すら覚える。
対して、地上のシーンはシンプルな映像で、
キルドレ達の表情も感情表現がほとんどなくのっぺりと描かれている。
加瀬亮や菊池凛子ら俳優陣の抑揚を抑えた台詞まわしも不思議とはまる。
キルドレ達に個性を与えず、いわば記号化する狙いかな?
この空と地上の世界のコントラストが巧いと思った。
永遠のルーティンのように繰り返される地上での暮らしは、
「生きている実感」が感じられず退屈きわまりない。
自分自身を地上に縛りつけている重力から解き放たれ、空に向かう瞬間のみが
自分の存在が「なにかしら、意味あるもの」として実感できる。
以下、ネタバレ含みます。