スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
| - | | - | - | ▲
好きな映画を中心に日々感じたこと、あれこれ。
好き度:★★★★☆
かつては無医村であった山間の小さな村で、「神様よりも仏様よりもありがたい」と
村人から絶大なる信頼をよせられていた医師、伊野(笑福亭鶴瓶)が突然失踪する。
刑事たちによる事件の捜査がすすむにつれ、彼が隠していた嘘が徐々に明らかに・・・。
前作「ゆれる」が非常に素晴らしかった西川監督、待望の新作。
「ゆれる」の時ほど鮮烈さを感じなかったけれども、
人間の心の澱を丁寧にすくうように紡がれる人間ドラマは、
今回も見応えがあり、最後までひきつけられた。
主役に抜擢された鶴瓶は実に面白いキャラクターだと思う。
トーク番組を見ると、涙もろく情にあつい普通の人のいいおっさんのようだけれども、
演技になると見方によっては、善人にも、悪人にもみえるし、
笑っているようでどこか悲しそうに見え、泣いていてもどこか可笑しさを感じさせる。
黒か、白かの二者択一では、語ることのできない伊野にはぴったりのキャスティングだったと思う。
脇役は香川照之や余貴美子など説得力ある演技をして光っていたし。手堅いな〜。
「以前から怪しいなとは思っていたんですよね〜。」
“神様”のように持ち上げていた村人たちの、手のひらを返したような反応。
普通の人々の薄情さがサラリと描かれる巧さにニヤニヤしてしまう。
伊野と相馬(瑛太)の食い違う会話は、一番印象的なシーン。
可笑しくて笑いながらも切なかった。
期待されたら、できるだけそれに応えたい。
ひとつ、うまくいけば次も頑張ろうと思う。
そうやって、球がどんどん飛んでくれば、打ち返し続けるだろう、私だって。
ラストシーン。かづ子(八千草薫)を心配して現れる伊野。そして微笑みを交わす二人。
私は彼を責められるかな・・・・。
| CINEMA(タ行) | 12:25 | comments(0) | trackbacks(0) | ▲
| CINEMA(タ行) | 12:25 | comments(0) | trackbacks(0) | ▲
好き度:★★★☆☆
「Doubt」
ケネディ大統領が暗殺された翌年、1964年のNY・ブロンクスのカトリック学校。
厳格な校長シスター・アロイシス(メリル・ストリープ)は、他の教師の目撃談から、
進歩的な考え方の持ち主で人気者のフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)が、
校内で唯一の黒人男子生徒と“不適切な関係”にあるのではとの疑いをもつ…。
本作品からなんと4人の俳優がアカデミー賞にノミネート!
それも納得の熱演を堪能。おなかいっぱい。
規律・規範を遵守することが何より大切であるシスター・アロイシスにとって、
細かいことは気にせず、より開かれた教会を目指して改革を実施し、
かつ、気さくな人柄で人気者のフリン神父は
まさに「いけすかない」奴で、目の上のたんこぶなんだよね。
この二人の差が顕著に表れていたのが食事風景。
シスター達は質素な食事で、私語も禁止でみんな黙々と食べて、いかにもまずそうで。
一方、神父たちは、肉やワインを食べ、ガハハ〜と笑いながら食事を楽しんでいる。
相容れない嫌いな相手の弱みを握ったら、人はどう行動するのか?
シスター・アロイシスの場合は、相手を排除する方向へ向かう。
客観的な証拠もない自分の心証のみを根拠として。
「私には、わかるのです。」
神父を追い詰めていく彼女の執拗なまでの熱心さは、狂気とさえ思えてくる。
「白」なのか、それとも「黒」なのか。どちらとでもとれるようなつかめない神父を
フィリップ・シーモア・ホフマンが、これ以上ないってくらい巧く演じていたから
シスターの疑惑がどんどんふくれあがっていくのも、理解できてしまう。
そして、最終的に二人が徹底的にやりあうシーンは、すごい迫力でした・・・。
どちらも巧い、巧すぎて、気持ち悪い・・・。
近くにいたら、二人の毒気にあてられて、貧血起こしてます。
でも、実はこのクライマックスシーンよりも、シスター・アロイシスが涙するラストシーンのほうが、
メリル・ストリープの演技にくらっときました。
神の教えに従い、規律にのっとって行動することを信条としていたはずなのに・・・。
疑惑にとらわれ、己の信条を捻じ曲げてでも、相手を陥れることに執心してしまった自分。
結局は、自分自身のあり方についても確信がもてなくなり、身動きできなくなってしまった。
あの涙は、とても哀れでした。
メリル・ストリープといえば、 「エンジェルス・イン・アメリカ」 でのアル・パチーノとの
演技対決も素晴らしかったです。
アル・パチーノが悪徳弁護士で、彼女は、彼にはめられ電気椅子送りにされた女性の幽霊。
抑えた憎しみの表情がそれはそれは恐ろしく、とり殺されそうな迫力でした
陰険な女性の役をやらせたら、ピカいちですね。
| CINEMA(タ行) | 17:01 | comments(0) | trackbacks(0) | ▲
好き度:★★★★☆
「The life before her eyes」
郊外の美しい住宅で優しい夫と愛する娘と幸せに暮らすダイアナ(ユマ・サーマン)。
彼女は17歳の時に高校で起こった銃乱射事件に巻き込まれ、
まもなく事件から15年が経とうする今でもその記憶が彼女を苦しめていた。
当時、ダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド)は親友モーリーン(エバ・アムーリ)と一緒にいる時に
犯人に銃を突きつけられ、「どちらを殺す?」と残酷な選択を迫られた・・・。
なんとも心が締め付けられる映画でした。とても美しい。
これはもう少し時間がたってから詳しいレビューを書こうかなと思う。
できるだけ一切の情報をシャットアウトして、映画館に足を運んでほしい映画だな〜。
| CINEMA(タ行) | 17:13 | comments(0) | trackbacks(0) | ▲
好き度:★★★☆☆
何をやってもうまくいかない落ち目のグラビアアイドル円城寺あやめ(成海璃子)は、
ひょんなことから一日警察署長をつとめることに。
そこで再会した刑事で元彼の春樹(永山絢斗)は、実は連続殺人鬼だった・・・。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏演出の舞台は見たことないのですが、
ゆるゆるTVドラマ「時効警察」の彼の演出回は結構好きで(特に「早め亭」や「多め亭」!!)
さて、映画はどういう作品を撮るのかな〜と、初日に鑑賞。
でも、舞台挨拶の回は避けた。 だって2000円するんだよ!?
全体として、一人の女の子の成長物語の体裁をとってるけれど、
メインストーリーは次第にどうでもよくなって、次々に登場する個性的過ぎるキャラの面々が
くりだす小ネタを楽しむうちに、いつのまにかシュールでブラックなケラ様ワールドにとりこまれる。
でも、めちゃくちゃなようでバラバラにみえたそれぞれのエピソードが、
上手い具合に(多少強引に?)つながって収拾つくから不思議だわ。
最初から段田安則は、反則でしょう〜。
コンビニ強盗を目論む3人組のかみ合わない会話はワロタ。
スタンガンで戯れるくだりなど最高!
特に一番凶暴キャラを演じた奥奈恵が、キレまくりの大熱演です。凄いわ
個人的に大好きだったのは「麻生久美子」&「モザイク」&「あ。かんじゃった by 犬山イヌ子」
ただ、虫や人間がグシャってつぶされる笑いは、生理的に駄目だったので・・・。
好き度はちょっとさがりました。
しかし、こういう世界観をつくれる人はそうそういないね。
一度、頭の中をのぞいてみたい・・・・・。
ちなみに、ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏のブログはかなりオモシロイ♪
| CINEMA(タ行) | 22:53 | comments(0) | trackbacks(0) | ▲
| CINEMA(タ行) | 12:51 | comments(6) | trackbacks(0) | ▲
| CINEMA(タ行) | 12:20 | comments(0) | trackbacks(0) | ▲
| CINEMA(タ行) | 13:04 | comments(0) | trackbacks(0) | ▲
好き度:★★★★☆
「QUANTUM OF SOLACE」
愛する女性ヴェスパーに死なれてしまったジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は
彼女の裏に存在していた組織を追う・・・。
前作「カジノ・ロワイヤル」の続編。
開始早々、派手なカーアクションが始まり、テンションあがりましたよ〜!
イタリア、ハイチ、オーストリア、ボリビアと、世界各地で繰り広げられるアクションは
肉弾戦、水上戦、空中戦となんでもあり〜!
前作と同様に、ダニエル・クレイグは体を張っていて迫力満点。
ほとんどスタントダブルを使ってないそうですね。
傷つきながら、生身のボンドが戦っているさまが、SO COOL文句なく楽しめます♪
今回、Mの命令にも従わず、かなり強引に捜査を進めるボンド。行く先々で人が死ぬのだよね〜。
愛する女性を失ったその復讐をするために暴走しはじめたとMI6に判断され、孤立無援となる。
しかし、あくまでもクールに黙々とターゲットに迫り任務を遂行しようとする彼はかっこよすぎ。
確かに今回のボンドは、簡単に殺しすぎのような・・・スマートではない。
でも、それは怒りに任せてということではないように思えました。
まだ、スパイとしての経験が浅いから、敵にもおいこまれやすく、手加減もできない故なのかなと。
復讐というだけなら、ドミニクも、ヴェスパーの元彼もきっと殺しているだろうし。
そして、今回の悪役ドミニク・グリーン役のマチュー・アマルリックは、
目だけで狂気を表現できる俳優さんですね〜。さすが「潜水服」の人!
爬虫類的な冷血さと執念深さを感じさせる演技はさすがです!
エコロジー・ビジネスをかくれみののして資金を集め、南米の天然資源の利権にむらがる
先進諸国をも手玉にとる組織というのは、現実でもありそうな話。
悪人と交渉したくないが、もはや、ビジネスパートナーとして組むのは悪人しかいないって
政府要人の言葉はなかなか含蓄がありましたね。
あと、Mとボンドの信頼関係の見せ方もよかったな〜。
ボンドの動きを抑えようとしつつも、最終的には上層部の意向に反して彼をかばう。
「彼は私の部下よ。私は彼を信じるわ。」の台詞はかっこよかった!
ラストのボンドとの会話も、多くを語らなくても通じあえる二人の関係性が表れていて素敵でした。
これまでの陽気でスマートでスタイリッシュなボンドのイメージとは異なるため、
賛否両論あるみたいですが、
私はダニエル・クレイグのボンドは、かっこよくて、クールで、たくましくて好き
愛する女性をなぜ失ったのか、その真実を知り、気持ちに区切りをつけた彼が、これから
どう007として成長していくのか、彼のボンドをまだまだ見たいな〜と思います。
そして、今回のボンドガール、復讐心を心に抱く勝気なカミーユ(オルガ・キュリレンコ)は、
「脱がない」「ボンドと寝ない」と異色な存在でしたが、野生の黒豹みたいなワイルドな美女
ぼろぼろになった黒いドレスを身にまとい、同じく黒のスーツに身を包んだボンドと二人、
砂漠を歩くシーンは、かっこよすぎでした!
| CINEMA(タ行) | 23:54 | comments(2) | trackbacks(1) | ▲
好き度:★★★★☆
「Odette Toulemonde」
オデット(カトリーヌ・フロ)は、昼はデパートの店員、夜はレヴューの羽飾りの内職をして、
女手ひとつで二人の子供を育ててきた未亡人。
日々の生活に追われた彼女の唯一の楽しみは、大好きな作家バルタザール
(アルベール・デュポンテル)のロマンス小説を読むこと。
ある時、批評家に酷評され、しかも、その批評家と自分の妻が浮気をしていることを知った
バルタザールは自殺未遂をおこすが、その時に、オデットがくれたファンレターに目がとまり・・・・。
現実を忘れてしまうくらい、本が垣間見せてくれる世界に没頭したことのある経験のある人は、
オデットの気持ちがわかるんじゃないかな。
書いた本人に会いたくてサイン会に赴く途中で、高揚する気持ちを抑えきれずに
ふわりふわりと地上からオデットが浮かび上がってしまうシーンは、思わず微笑んでしまう
心優しく美容師として働いているゲイの長男。無愛想で現在無職の長女。
二人の子供を一生懸命育てているなか、つらくてたまらない時には、バルタザールの小説に
救われてきたんだよね。イメージとしては、ハーレクイーンロマンスなのかしら?
しかし、彼の小説はある批評家に酷評されてしまう。
彼の小説は「くだらないしろもの」で、「安っぽい人形集めが趣味」で、「夕陽の写真が、大好き」な
美容師や店員しか読まない・・と。
・・・・これにあてはまるのが、まさにオデットそのものなんだけど(笑)
自尊心がズタズタにされたバルタザールは、オデットが心を込めて書いたファンレターを読み、
心打たれて、藁にもすがる気持ちで彼女の家を訪ねてしまう。
夢にまでみたセレブな作家が、いきなり自分の家に転がり込んできたらそりゃびっくりしちゃう。
でも、驚きつつも何もきかずに自然に彼を受け入れてあげるオデットの包容力。
本当にオデットはかわいらしい〜!
大好きなジョセフィン・ベーカーの曲にあわせて踊りながら家事しちゃうところがとっても素敵。
色々厳しい現実もありながら、それでも前向きに、楽しそうに生きている彼女の姿に、
バルタザールは少しずつ癒されていき、自分の幸せについても考えなおすんだよね。
そして、バルタザールを迎えにきた妻と、出版社の人を前にしたオデットの台詞には思わず涙・・・。
ちゃんと彼をもとの生活に戻してあげようとポンと背中をおしてあげるんだよなあ。
ここは、年季のはいった大人の女しかいえない台詞なんですよ。
決してピカピカの美男美女の組み合わせではない、ちょっと人生に疲れたくたびれた大人同士の
ラブストーリー、でも、そこには夢もちゃんとあるところが好き
| CINEMA(タ行) | 13:21 | comments(0) | trackbacks(0) | ▲
| 1/2PAGES | >>