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『(500)日のサマー』



好き度:★★★★☆
「(500) days of Summer」

運命の恋を夢みる男の子トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が、
真実の愛を信じない女の子サマー(ズーイー・デシャネル)に恋した
ビター&スウィートな500日間。

THIS IS NOT LOVE STORY.
THIS IS STORY ABOUT LOVE.

映画好きな人から軒並み絶賛の嵐の本作品、私も大好きでした。
瞳の大きなサマーに魅せられ、熱にうかされ、
過去の傷口に塩をすりこまれ、悶えている人のなんと多いこと(笑)

トムがサマーに出会ってからの日々を、時制をいったりきたりして
とびきり素敵な音楽と、凝った編集の映像で、ビビッドにみせてくれる。

通常のハッピーエンドなラブコメとは違い、二人がどうなっていくのか先が読めず。
でも、恋というのは本来そういうものじゃ?
幸せ絶頂な時もあれば、どん底におとされることもあり。山あり、谷あり。
自由奔放なサマーの行動に振り回され、一喜一憂するトムには、
誰かに恋したり、失恋したことがある人なら感情移入してしまうはず。

想いが通じた翌朝に、まるで世界中が自分を祝福してくれているかのような
ミュージカルシーン。楽しくて、最高!

また、大好きだった彼女のチャームポイントが、仲が険悪になっちゃうにつれて
嫌な部分に変わっていくところとか。わかるよねぇ・・・・。

「スミス好きなの?私も。」のサマーの一言で恋に落ちちゃうトム。
彼女こそ、運命の人だと。
そして、スミスが好きなら、きっとこの曲も好きに違いないよねと思い込み、
自分の好きな音楽をあれこれ勧めてしまい、サマーは無視ってところに苦笑。
だって、私もよくやるー。
ひとつの好みがあったからといって、全部が全部あうわけではない。
でも見極めって難しいよね。浮かれている時期は特に。

で。サマーの視点からいうと。

「真実の愛なんて信じない」 
これは手ひどい失恋を過去にしたからなんじゃないかなと想像してしまった。
両親の離婚も経験しているし、永遠に続く愛なんてないと。
きっと、過去にトムのように相手に振り回され火傷していると私は思うのだ。
だからこそ、深入りはしない。

とても好きなシーンがある。

トムがサマーをお気に入りの場所に連れて行き、本来やりたい建築の仕事の夢を語る。
僕ならこうデザインするんだけれど。
その設計図を描いてってサマーが自分の腕を差し出す。
なんて素敵な女の子なんだろう!

サマーも、夢を語るトムが好きだったんだろうと思う。
でも、その実現には具体的に動こうとしない。
自分との恋愛で頭がいっぱいなトムから少しずつ心が遠のいていく。

そう。トムのことを大好きなんだけれど、夢中になるほど恋する相手ではなかった。

二人で見る「卒業」。あれは切なかった。
花嫁を結婚式から奪って二人で逃げる有名なクライマックスではなく、
その後の二人がバスに乗っていてなんだかとまどった表情をするシーン。
ここで、サマーはぼろぼろ泣く。トムはその理由がわからない。

「卒業」はハッピーエンドではないのだ。
情熱にまかせて逃げてきてしまったけれども、
二人の未来は明るいものではないという暗示のシーンで、
サマーは自分の気持ちがシンクロしちゃったんだよね。
「好きなんだけれども、この人じゃない。」

オープニングシーンで二人の生い立ちを2画面にわけて同時に見せていたのもよかったね。
それぞれ違うところで、違う人生を過ごしているのに、
これだけ人間が いるなかで、ある日出会い、恋におちるなんて考えたら凄い偶然だ。
トムがサマーに出会ったのも、それだけで素敵なことで。

痛い思いをしたけれども
じりじり夏の太陽に焦がれるような恋を経るのって大事じゃないかな。
そういう経験って人を成長させる。

時は流れ、季節はめぐり、性懲りもなくまた誰かに恋をする。
私たちは そういうふうにできている(笑)

『キャデラック・レコード〜音楽でアメリカを変えた人々の物語〜』


好き度:★★★★☆
「CADILLAC RECORDS」
1950年代のシカゴ。今日のアメリカ音楽の礎を築いた伝説のレコード・レーベル、
チェス・レコードと所属するミュージシャン達の栄光と衰退を描く。

白人や黒人のミュージシャンの区別なく、素敵な音楽をあたりまえに楽しめる時代に生きる私なので
黒人が音楽業界で表舞台に立っていない時代があったというのが、信じられないほど。

だから、農夫であったマディが畑で口ずさんでいたブルースが、
レコードとなり、ラジオから流れ多くの黒人の人々に知られることになり、
次第に黒人と白人の区別なく人々を魅了していく過程に、とても感動をおぼえる。

同じライブ会場の中でも、白人と黒人のエリアの間にはロープで仕切られているのだけれど
チャック・ベリーのノリノリの音楽を聴いた聴衆が興奮して、ロープを超え、
人種関係なくみんなが踊りまくるシーンにも同様に興奮したなあ。

マディ・ウォーターズ、リトル・ウォルター、ハウリン・ウルフ、チャック・ベリー、エタ・ジェームス

埋もれかけていた才能ある彼らを見出したのが、白人のレナード・チェスであったことが興味ぶかい。
まだ人種差別が根強い時代に彼らを家族のように扱い、売れると成功の証としてキャデラックを与える。
どちらも契約という意識が薄く、どんぶり勘定だったりするのが、後に確執のもととなるのだけれど。

こうして一世を風靡したチェス・レコードのミュージシャン達。
彼らの音楽は、形を変えて、今なお現代の音楽の中に息づいている。
ローリング・ストーンズの名前って、マディ・ウォーターズの曲からとったというトリビアネタもあり。

多くのミュージシャンが登場し、
皆の波乱万丈な人生(栄光から酒・クスリ・女で転落!)を駆け足でみせていたので、
特定の人物をじっくり描く人間ドラマをもっと見たい気もしたけれど、
(今回語り部であったウィリー・ディクソンが主役の映画が見たいな〜。)
今聴いても色褪せていない素晴らしい歌の数々に酔いしれるだけでも、十分満足できる映画だった。

何より驚いたのが、今回全員が歌の吹替えなしだったということ。
マディ役のジェフリー・ライトや、ハウリン・ウルフ役のイーモン・ウォーカーなんて、
歌手じゃないのに、びっくりするほど素敵なパフォーマンスだった!!

エタ・ジェームス役のビヨンセが涙をためながら、去り行くチェスを思って歌う
「I WOULD RATHER TO GO」は素晴らしくよかったしね。

当時の人たちが、新しい音楽にいかに熱狂したことか!
その熱を追体験できてしまうのだから、やっぱりこういう映画は大好きなのだ

『グラン・トリノ』

 
好き度:★★★★★
「GRAN TRINO」
朝鮮戦争の帰還兵ウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)は自動車工の仕事を退職し、
最愛の妻にも先立たれ、偏屈で頑固な性格のあまり、
話し相手は飼い犬のデイジーだけという孤独な毎日をおくっていた。
ビールを飲みながら、ピカピカに磨き上げた愛車1972年製のグラン・トリノを眺めるのが唯一の楽しみ。
そんな時、近所のアジア系移民のギャングが、ウォルトの隣人のモン族の少年タオ(ビー・バン)に
グラン・トリノを盗ませようとする。
タオに銃を向けるウォルトだが、この出会いが二人の人生を変える・・・・。

「男は迷っていた、人生の締めくくり方を。
 少年は知らなかった、人生の始め方を。
 そして、二人は出会った。」

偏屈で頑固な親父好きな私なので、「チェンジリング」よりも好みでした。
イーストウッド監督作品には珍しく、全編ユーモアで溢れていて何度なく笑わされ
「ハートウォーミングコメディ?」と思いきや、
限りなく優しく、そして、気高いラストには涙がとまらなかった。
間違いなく今年のベスト10にはいります。

長くなるので、続きへ ↓

『クローズ ZERO 供


好き度:★★★☆☆
前作で芹沢(山田孝之)に勝ち、鈴蘭男子高校の覇権争いを制した源治(小栗旬)たちと、
因縁のライバル関係である鳳仙学園との間で起こる新たなバトル!

今作は鈴蘭をまとめきれず、ず〜っと悩みのトンネルから抜けられない源治が描かれるので、
キャラとして弱い印象。むしろ、芹沢のほうがカリスマ性を感じるんだよね。
最終的に源治のもとに鈴蘭の全員が終結して一枚岩となって戦うまでの流れが
あんまり説得力ないストーリーは気になったものの・・・。

クライマックスシーンの総勢500人の喧嘩シーンは見応えあり
これだけで、この映画はいいや!!!
素手だけで相手と戦い、強い者が勝つというシンプルな世界は、なんと気持ちがいいんだろう。

敵のリーダーとのタイマンをはるため、わさわさと襲い掛かってくる鳳仙のメンバーを
叩きのめし、屋上に登っていくクローズのかっこよいこと!

波岡君は、前作同様鷲尾役。鈴蘭から鳳仙へ転校し、鈴蘭の情報を流すという
ちょっと情けない不良をばっちり熱演(笑) こういう役、うまいんだよね〜。



他に気になった若手俳優は、戸梶役の遠藤要君。むちゃくちゃ渋くてかっこよいし、
喧嘩シーンも、空手やっているだけあって迫力あり!



日傘をさして、青白い〜顔をしていかにも弱そうなのに、喧嘩になると歯止めがきかなくなり
相手を半殺しのめにあわせてしまうちょっとイカれた漆原役の綾野剛君。
不気味な存在感を発揮していました。
実は、源治と鳴海のシーンよりも、
芹沢と漆原のタイマンシーンのほうが迫力あって面白かったのだよね。
彼の他の出演作品、気になるな〜。

『顧客』@フランス映画祭2009


好き度:★★★☆☆
「CLIENTE」
TVの通販番組のディレクターをしている51歳のキャリアウーマン、ジュディット(ナタリー・バイ)と
出張ホストのマルコ(エリック・カラヴァカ)の恋愛を辛口に描く。
ジョジアーヌ・バラスコ監督。監督は主人公の姉イレーヌ役で女優として出演も。

一度結婚に失敗し、男と恋愛関係を築くのはもうこりごりで、出張ホストをお金で買う女性と、
愛する妻がいながらも、生活を支えるために売春する男性。
一般的な男女の図式が逆転しているこんなお話が映画化されるなんて、さすがフランス〜!と
思っていたら、やっぱりなかなかゴーサインがもらえなかったそう。



最初はお金で時間を買い、逢瀬を重ねるだけのドライな関係だと割り切っているのだけれども、
彼女はマルコに徐々に惹かれていく。
離婚を経験して、男性といちからまた関係を築くのはもう繰り返したくはないと思っているのに
理性では整理がつかないのが恋愛だったりするものね。
わざと札束で男の頬をはるような真似をし、「顧客」でありつづけることで
自分の心に歯止めをかけたり。大人の女性としてのプライドが邪魔をする。
このあたりの心の動きはリアルだなあ〜と思った。
マルコもジュディットに対して客以上の感情がうまれる。

男女の関係を逆転しただけで、ここまではありふれた話だと思っていたら
マルコの妻ファニー(イザベル・カレ)が出てくるあたりで話は俄然面白くなってくる。

出張ホスト業が妻にばれ、いったんやめるのだけれども、
それまでの臨時収入がなくなり、左官業の収入だけでは、生活はたちまち苦しくなる。
そして、妻は言うのよね。「もう1回、仕事をして」と。
そのくせ、顧客のことをしりたがり、勝手に嫉妬をして、ジュディットのところに赴くんだもん。
生活のためとはいえ、自分の夫がそういう仕事をするのはやはり耐えられないよね。
そして、夫を責める。

二人の女性の間にはいって揺れ動くマルコがなんとも気の毒で・・・。
妻の実家に居候している肩身が狭く、生活はギリギリで、妻にホストの仕事をやってといわれ、
したらしたで、勝手にわめかれ、それは、疲れるって・・・・。

ジュディットとマルコはお互い惹かれあっているのだけれども、
マルコの妻に対する愛情を知って、彼を妻の元に返す。
その後、ベッドの上で、一人泣き崩れるジュディット。
でも、彼女はいいきるのだよね。孤独を感じるけれども、私は自由だと。

個人的にはやっぱり、刹那的に「愛(?)」を買う行為はたいして楽しくなさそうだし
ここまでの覚悟をして、自由を選択し続けるのもしんどいな〜なんて思う。
面倒でも、傷つくことがあっても、やっぱり誰かといたいと思っちゃうな〜(・・・今のところ。)


それにしても、劇中では51歳の設定でしたが、ナタリー・バイは実際60歳ですって(驚!!)
彼女自身がこれほどの美しさを保っているのはもちろん素晴らしいですが、
若さ一辺倒ではない、年を重ねた女性ならではの魅力が素敵に描かれる作品が
フランス映画には多いなあと思いますね。

『コード』@フランス映画祭2009


好き度:★★★★☆
「LE CODE A CHANGE」
パリの街中に音楽があふれる音楽祭の日、
高級アパルトマンでの夕食会に集った10人の男女の群像劇。
ダニエル・トンプソン監督作品。

女弁護士マリー(カリン・ヴィアール)と失業中の夫ピョートル(ダニー・ブーン)。
マリーの同僚弁護士ルーカス(クリストファー・トンプソン)と主婦サラ(エマニュエル・セニエ)。
産婦人科医メラニー(マリーナ・フォス)と夫のガン専門医アラン(パトリック・ブリュエル)。
マリーの妹ジュリエット(マリナ・ハンズ)と年が離れた恋人のイーワン(パトリック・シェネ)。
リフォーム業者でマリーの浮気相手ジャン・ルイ(ローラン・シュトッカー)。
フラメンコ講師のマニュエラ(ブランカ・リー)。

いわゆるアラフォー世代でリッチな階級の人々。
一見、和やかに会話と食事を楽しんでいるかのようにみえるのだけれど、
心のうちはパートナーに対する不満や、人生に対する悩みなどそれぞれが抱えていて・・・。

ちょっとビターであり、適度なユーモアを交えて、大人のストーリーがちゃんと描かれている
こういう作品は好み。

フランス映画祭2009では観客賞受賞。



本当に仲のよい友人たちが集まるホームパーティーならいざしらず、
仕事が全然違う人や初対面の人々が集まって食事というのは、なかなかくつろげないよね。



愛想をつかしかけているパートナーが場をわきまえないくだらない話をしていたり、
無神経に自分に恥をかかせたり、同席している浮気相手がこっそりプライベートメールを送ってきたり、
ニコニコ笑いながらも、心中穏やかでない状態が続くこういう食事会は、消化に悪そう・・・。
微妙な雰囲気のなかで、なんとか無事に食事を終わらせようとする大人達の会話は、
とっても滑稽で、見ているぶんには楽しいのだけれどね(笑)



マリーとジュリエットの父親は、夕食会に参加させてもらえない。
かつて、別の女性に走り、母親を捨てた父親を特にジュリエットは赦してないからなのだけれど、
彼女の恋人イーワンと父親が意気投合するシーンはおおいに笑ったな〜。
同世代の二人は煙草はパカパカ吸うし、音楽の好みは一緒だし、
おそらく、若い頃は女性にモテモテだったちょいワル親父。
スノッブな夕食会にはなじめない二人が懐かしい曲でダンスを踊りまくっている姿には爆笑。



物語がすすむにつれ、それぞれが抱えている事情が明らかになるのだけれど、
この夜がきっかけで、各人にちょっとした転機が訪れ、とりまく環境や人間関係が変化する。
そして、一年後の同じ日に再び夕食会が開かれることになるのだけれども。

題名「コード」は、アパルトマンの入り口に設定している暗証番号のことなんだけれど、
それぞれの人生における新しい扉をあけるコードでもあるんだよね。

印象的だったのはメラニーとアランのエピソード。
夕食会に向かう車の中、離婚をきりだしたいためイライラしながらメラニーは
「夕食会に行くのはやめて、二人でゆっくり食事をしない?」ってアランに言う。
一年後、やっぱり夕食会に向かう途中の車の中で、同じ台詞が繰り返される。
でも、全然意味が違うんだよね。
この一年でアランの自分に対する深い愛情をあらためて知ったメラニーの
表情が幸せそうでとっても美しいし。

そして、ジュリエットと父親の和解のシーン。
ジュリエットもかつて父親が感じたような思いを経験しているからこその和解というのが苦い。
今ならわかりあえると、ジュリエットと父親を二人きりにするイーワンがまた切ないの。
(やっぱり、娘ほど年の離れた奥さんを持つのっていろいろあるんだな。)

結局、誰もが何かを失って、別の大切な何かを手に入れる。
幸せの甘さと喪失の苦さ、そういうものを全部のみこんで人生は続いていく。

(でも、あんまり周りをみない猪突猛進型で、
夫の心変わりにもきづかない鈍感なマリーが唯一いいとこどりでした(笑) 
こういう人間が結局一番幸せになるのかな?シニカル。そして、ある意味真実かも。)

すべてがうまくいくハッピーエンドではないけれど、
なぜかすがすがしい気分になれる面白い映画でした。トレヴィアン〜

『ガチ☆ボーイ』

好き度:★★★★☆
 一晩眠ってしまうとその日あったことを全て忘れてしまうという高次脳機能障害を抱える青年が
学生プロレスを通じて、生きる実感を取り戻す笑い&涙&爽快感満載な作品。

その日の記憶が翌日には残らない主人公というと、「メメント」を思い出します。
メメントの主人公は、忘れてはいけないことを体中に刺青をしていましたが、
この映画の五十嵐(佐藤隆太)は、毎日の出来事を全てメモにし、ポラロイド写真をとって記録します。
「明日の僕へ」と記された大学ノートは、日に日に分厚いものになっていくわけで
それを毎朝読んで、記憶の補完をしないといけない。

もう、忘れてしまいたいことってあるじゃないですか。
一晩寝て、翌日は生まれ変った新しい自分になりたいなあって。

でも、彼の苦しみを見ると、いいことも嫌なことも含め、連続した記憶があってこそ自分で。
そんなあたりまえのことがどれほどありがたいことか痛感します。

誰も笑わないベタベタなギャグでも、一人だけ毎回おおウケ。
「こんなギャグで笑えるのかよ!」とつっこんでいた周りも、彼の事情を知ってからは黙っちゃう。

好きな女の子に告白するシーン。
女の子から涙ながらに「ごめん。それ聞くの4回目なんだ・・・。」と逆告白される。
ここはあまりにも切なかったです。それを言わなきゃいけない女の子の気持ちも。
毎回、この出来事をメモに残せない彼の気持ちも。

あと、お父さん(泉谷しげる)にも泣かされました。
大学在学中に司法試験の一次試験を通るくらい優秀で、
その将来を誰よりも楽しみにしていた息子が新しいことをまったく覚えられなくなってしまった。
そんな息子をどう扱っていいかわからず、相変わらず近所の人には息子自慢をする。
それを息子はやりきれない思いでみているんだけど。
「プロレスなんてやってる場合か!」など頑固親父ぶりを発揮していましたが、
息子自身が一番苦しんでいることを知ることになるんだよね。
そして、必死に戦う息子をリングサイドで見ている表情、サイコ〜!でした。
こういう不器用な親父が本当にうまいね。

ラストのガチンコ勝負のシーンは、ド迫力本当に痛そうで痛そうで・・・ハラハラしました。
圧倒的に強いチャンピオンに、どれだけ痛めつけられても絶対ギブアップしない。
練習した技の数々は本当は覚えていないし、強くもなっていないはず。
なのに、彼が忘れても体が覚えている。傷を受けた分、彼自身に刻まれている。
自分の体のあざや痛みが、唯一昨日から続いてる自分の存在の証。

そして、ラストの目の覚めるような・・・・。
まるでリングサイドにいるかのように「おぉ〜っ!!」と叫びたくなります。

主人公はハンディキャップを抱えている設定ですが、描いていることは普遍的なテーマ。
どんなに壁が高くても、自分の持っているエネルギーを思いきりぶつけて絶対あきらめない。
そんなバカ正直で純粋でまっすぐな人の姿に、やっぱり私は弱いのです。

『小森生活向上クラブ』


好き度:★★★☆☆

うだつのあがらないサラリーマンが、ある時痴漢の濡れ衣をきせる常習犯の女性を
電車のホームに突き落とし爽快感を得たことをきっかけに、
 「悪をふりまく人間は成敗するのが世のため」と持論を掲げ、次第に暴走しはじめる・・・・。
古田新太氏初主演のブラックコメディ。

割と簡単に人が殺されちゃうので、ダメな人はダメかしら。私はセーフかな。

ブラックでシュールな物語展開は、どこか「世にも奇妙な物語」と似たような感じを受けました。
ただ、張られた伏線が全て収集されるわけではなく、一部とっちらっかってしまったので
その点であんまりストーリーにはまり込めなかったのが残念です。

古田新太氏は、やっぱり面白いですね〜!
家族や部下からもなめられている無気力でうだつのあがらない中年親父が、
とある事件をきっかけに生気を取り戻し、快活になり、自分の正義を展開していく!
笑いの間が絶妙でかなり笑いました。
あとは奥さんを演じた有森也実さん!
お〜!ここまでやる女優さんだっけ?と感心しました。怪演といってもよいかも。

『キャラメル』 @東京国際映画祭


好き度:★★★★☆ 

ベイルートのヘアヘステサロンに集う5人の女性。
彼女はお互いには言えない悩みをそれぞれ抱えていた・・・・。

レバノンっていうと、内戦のイメージが強くて、実際人々がどういう生活を送っているのか、
あんまりピンとこなかったのですが、
この作品で描かれているレバノンの現代の女性たちは、おしゃれして美しくて生き生きしていて
でも抱えている悩みは、不倫、自分の容色の衰え、家族の介護などなど、
「ああ。わかるな〜。」と私たちでも共感できることも多くて。
女性の悩みって、国境を越えるのね・・・なんて思いました。
もちろん、社会の因習やしきたりは、我々のそれよりも厳格であるので、葛藤もより大きいでしょうね。

たとえば、主人公は不倫相手の誕生日を祝おうとして、二人きりになれる場所を探して、
ホテルの予約をとろうとするんですが、ちゃんとしたホテルは、身分証の提示を求められる。
結婚していない男女が一緒に泊まるってことはどうやら許されないらしく、
何件も断われたようやく予約がとれたのは娼婦が男性を連れ込むような場末のホテル。

そんな品のない部屋ですが、彼女は彼をもてなすために、一生懸命掃除したり、風船で飾りつけしたり、
手作りのケーキを準備したりするのですが・・・・。
待てど暮らせど彼からの連絡はないんですね。・・・切ない。

結局、彼のかわりに女友達が駆けつけて、皆でケーキを食べるのですが、
「・・・娼婦に間違われても、ここまでしたのに・・・」と、しょんぼりする彼女に
「うわっ!まずっ!こんなケーキ食べさせなくてよかったわよ〜」なんて励ますシーンは
なんだか泣けちゃいましたよ・・・。

映像も素敵なんですよ。
タイトルにもなっているキャラメルを女性の手で練るシーンから始まるのですが、
その艶やかなキャラメルがなんとも官能的って思ってしまった(笑)
食べる他に、女性は別の使いかたをするのですが、それは見てからのお楽しみで!
ヘアエステサロンの全体の色使いも可愛いし、しっとりした肌の質感まで伝わってくるような
アラブの女性の美しさにもうっとりですよ〜。

女性は好きな映画だと思います♪お正月公開予定

『がんばればいいこともある』 @東京国際映画祭


好き度:★★★★☆

長女の結婚式当日、夫は披露宴会場の代金をすべて競馬でスってしまい、
長男は麻薬の売買で警察につかまり・・・・次から次へと起こる問題に
頭を抱えながらも「全ての問題には解決方法がある。」と奮闘するお母さんの物語。

フランス映画なのですが、出演者はほとんどアフリカ系移民。こういう仏映画って珍しいそう。
移民社会というフランスの別な側面が見られて興味深かったです。

ヒロインのお母さんは、近所のご老人の介護とコインランドリーの経営でなんとか細々と
3人の子供たちと甲斐性なしの旦那さんを支えてるんですが・・・。
いや〜。面白くて笑いました
あまりに次から次へと問題が勃発しすぎて、お母さんが気の毒!
パニックになりながらも、なんとか問題に対応していくさまに、思わず応援したくなります。

「全ての問題には解決方法がある。」
・・・この言葉って、私も好きなんだよね〜。トラブル続きで、凹みそうになった時には
私もこういって自分を励ましたりしてるので(苦笑)
尊敬するかつての上司が、言ってくれた言葉なんですけどね。

ヒロインのお母さんもこんなにも頑張ったんだから、最後にはいいことが・・・・起こるのですが
しかし、ラストシーンもなんだかまた問題が勃発しそうな予感で終わります(笑)

パワフルなお母さんを演じたフェリシテ・ウワシーさんが今回来日。
映画の中では、「ロナウジーニョみたいな顔だなあ〜」と思ってましたが




頭はスキンヘッドで、スラリとしたスタイル。足元はショッキングピンクのショートブーツで
とてもかっこよかったです〜!

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