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好きな映画を中心に日々感じたこと、あれこれ。
好き度:★★★★☆
「MILK」
1970年代米国史上初めて、同性愛者であることを公言して当選した政治家であり、
同性愛者の人権のために尽力したハーヴィー・ミルク(ショーン・ペン)の人生最後の8年間を描く。
「私の名前はハーヴィー・ミルク。皆さんを民主主義を守る戦いに勧誘したい。」
これもいい映画でした。
同性愛者の人権などほとんど無視されていた時代に、
最初に声をあげ、周りをどんどん巻き込み、大きなムーブメントにしていった。
彼が灯した希望の光は、消えることなく今でも人々の心を照らし続けている。
ショーン・ペンがオスカーをとったのは納得だな〜。
プライベートでは、可愛い年下の恋人に振り回されちゃうオネエMANで
かつ仕事においては、柔らかな物腰&強い情熱で人々を魅了する有能な政治家であった
ミルク氏をとても自然に魅力的に演じている。
「イントゥ・ザ・ワイルド」でなんという才能溢れる監督だと思ったけれども、
俳優としてもやっぱり素晴らしいのね・・・・。
1970年代のアメリカは、同性愛者というだけでリンチで殺されたり、
精神的な病気だからといって強制入院させられたり、
今よりもはるかに、過酷な時代であったらしい。
ミルクの過去の恋人たちもほとんどが世の中に絶望し自殺や自殺未遂を起こしている。
自分の大切な人たちが、社会でちゃんと居場所を持ち、誇りをもって生きていくために
世界を変えたい。
その一心で公職についた彼は、持ち前の人柄のよさとユーモアで人々を惹きつける。
と同時に、政治家としても、したたかな手腕を発揮するのだ。
住民のデモ行進を陰であおりつつ、最後に登場してデモ隊をなだめ調整するという
自分の姿をマスコミの前でみせつけたり、
自分と向かい合おうとしない敵対する政治家を、公開討論の場にひっぱりだしたり、
目的達成のために、最大の効果を得られる戦略を練り、粘り強く交渉し、
熱い演説で人々の心を動かす。
華々しく活躍するミルクを常々苦々しく思っていたダン・ホワイト議員(ジョシュ・ブローリン)は、
「君はいいよな。主張できるテーマがあって。」とからむのだけれど、それに対してミルクは
「テーマ?そんな軽々しいもんじゃない。僕は人生を賭けている。」と毅然といいかえす。
いつ暗殺されるかもわからないから、死後に公開されるように自分のメッセージを録音しておくほど、
彼は常に身の危険を感じる状況にいたんだよね。
公のために、命を賭ける覚悟がある者だけが、政治家に値するって私は思うのだけれど
ハーヴィー・ミルクはまさに政治家そのもので、彼の心意気には胸がいっぱいになる。
ダン・ホワイトのような人間には、だれもついてこない。
それはミルクのせいではなく、完全に自分自身の情熱や信念の問題だと思うのだけれど、
彼への嫉妬に転化してしまうのだ。アマデウスの才能に嫉妬したサリエリのように。
「クローゼットの中から勇気を持ってでてきてほしい」
同性愛者たちにカムアウトを促すミルクの演説には心揺さぶられずにはいられない。
差別や偏見に満ちた世の中で、それはとても勇気のいることだけれど、
より多くの人たちがカムアウトすることで、周りの人々は彼らが特殊な一握りの人間なのではなく、
自分自身の大切な家族や隣人や友人であることに初めて気づく。
自分を変えていかなければ、世の中の流れは変えられないのだと。
まさにそのとおりだよね。
ミルクの遺志は周りにしっかり受け継がれ、今日のアメリカの礎となっている。
今まで知らなかったこういう人の生き様を知ることをができるのも、映画の楽しみ。
ところで、この映画、若手俳優がみんな可愛い〜!監督、見る目が高いわ〜!
ディエゴ・ルナやエミール・ハーシュもよかったけれど、なんといってもジェームズ・フランコ!!
静かな情熱と知性と繊細さをもってスコット役を熱演してました。素敵だった〜。
次回作はアレン・ギンズバーグの伝記映画で主演だそう。
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